千葉県市川市の花火大会で撮影されたギネス世界記録の写真が、「プロの宣伝になる」とのたった1人のクレームで撤去された―。この理不尽な出来事の中心にいたのが、写真家・白井俊一郎さんだ。花火写真はボランティアで撮影し、無償で市に提供したにもかかわらず、自身の作品が排除された白井さんは「納得できない」と声を上げた。今回は、騒動の概要とともに、白井さんがどんな写真家なのか、その活動と今後の展望を追う。
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千葉市川市｜ギネス記録の花火写真撤去騒動とは？
2025年8月、千葉県市川市民納涼花火大会で披露された「最も高い山型の仕掛け花火」がギネス世界記録に認定された。市はその快挙を記念し、認定証とともに、撮影を担当した写真家・白井俊一郎さんの作品を市役所に展示した。白井さんは市からの依頼を受け、ボランティアとして撮影を担当。作品は無償で提供され、名前入りで展示されていた。
しかし、展示開始翌日に市民1人から「プロの名前入り展示は宣伝につながる」とのクレームが入り、市はすぐに写真だけを撤去。ギネス認定証のみの展示へと変更した。この対応に対し、市民からは「なぜたった1人の意見で撤去するのか」「ボランティアの善意を踏みにじる行為だ」と批判が殺到。白井さん自身も「不可解で残念。毅然とした対応ができないと、市の芸術活動に悪影響が出る」とコメントした。
今回の出来事は、行政が“誰かの不快感”を優先しすぎた結果、表現や善意を損なう形となった象徴的なケースといえる。
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白井俊一郎（写真家）とは何者？
wiki基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 白井俊一郎 |
| 活動名 | Shun Shirai／街かどフォトグラファー |
| 出身地 | 香川県高松市 |
| 拠点 | 千葉県市川市 |
| 職業 | 写真家・地域フォトグラファー |
| 主なテーマ | 地元・市川の風景、季節、日常の一瞬 |
| 所属 | 市川写真家協会会員 |
| 主な受賞歴 | 市川フォトフェスティバル2018「最多得票賞」 |
| 主な活動 | 地域撮影、行政協力、ボランティア撮影、展示活動 |
| SNS | Instagram（@shun033） |
経歴：市川の風景を撮り続ける地元密着フォトグラファー
白井俊一郎さんは、市川市を中心に活動する地域密着型の写真家だ。地元の自然や街並みを題材に、日常の中の“奇跡の瞬間”を切り取る作風で知られている。彼の写真は、派手な演出ではなく、ありのままの風景に息づく温かさや静けさを表現しており、地元住民からの信頼も厚い。代表的な作品には「真間山弘法寺・雪と桜」や「巨大ラピュタ雲と夕焼け空」などがあり、季節の変化と街の表情を繊細に写し取っている。
2018年には市川フォトフェスティバルで「秋色に包まれて」が最多得票賞を受賞し、地元フォトコミュニティでも高い評価を得た。以降も行政イベントや地域展示に多数参加し、市の広報協力や行事撮影などをボランティアで行っている。今回のギネス花火の撮影も、市民としての貢献と写真家としての誇りを両立させた活動の一環だった。
白井俊一郎（写真家）の作品について
白井さんの写真は、身近な風景を「特別な一瞬」に変えることを得意としている。市川市の川辺、住宅街、駅前通りなど、誰もが見慣れた景色を、光の角度や天候、時間帯を計算して撮るスタイルが特徴だ。撮影の裏側には緻密な準備と狙いがあり、たとえば雪が降る日の夜明けに桜の名所を訪れ、雪と花びらが交わる一瞬を逃さず撮影したこともある。こうした姿勢は「偶然ではなく、意思で撮る」という彼の信念を物語っている。
また、白井さんの作品は地域住民とのつながりから生まれることが多く、撮影現場では市民との会話や交流を通じて街の息づかいを感じながらシャッターを切るという。商業的な撮影よりも、地元に寄り添いながら人々の記憶を写真として残すことを重視しており、その柔らかい視点が多くの支持を集めている。
今後の展望
今回の花火写真の撤去騒動を経て、白井さんは「表現者として、そして地域の一員として、何を守るべきか」を改めて考える立場に立った。今後は地元の魅力を発信する活動に加え、行政との連携のあり方や、公共展示の在り方にも積極的に意見を発信していく可能性がある。彼のInstagramや地元写真展ではすでに「撮ることで地域をつなぐ」という新しいテーマが見え始めており、写真を通じた地域づくりへの意識がより強まっている。
白井俊一郎という写真家は、単なる風景カメラマンではない。地域と共に歩み、街を美しく記録し続ける“語り手”であり、今回の出来事はその使命をさらに明確にしたとも言える。市川の街角でまた彼のカメラが光を捉える日を、多くの市民が静かに待っている。